
BANDAI SPIRITS
STORY
細部までこだわる。 愛くるしい「ちびぐるみ」の 裏にある飽くなき探究心
2025年10月3日
約11㎝の手のひらサイズで、まっすぐ見つめる瞳や短い手足が愛くるしい「ちびぐるみ」。2021年からアミューズメント景品として展開されているぬいぐるみシリーズです。アニメ、漫画、K-POPアイドルなど、100以上の人気作品やアーティストで商品化しています。アミューズメント景品として提供されるぬいぐるみの中でも高い知名度を誇ります。
その人気の裏側には、作り手の並々ならぬこだわりが隠れています。「ちびぐるみ」の企画メンバーに、想いを語ってもらいました。
プライズ事業部 藤本 香織(左) / 岡田 百花(右)
“ぬい活”の広がりが誕生のきっかけ
「ちびぐるみ」が誕生したのは2021年のこと。ミニサイズのクレーンゲームの普及や、ぬいぐるみと一緒に旅行や食事を楽しみ、写真を撮ってSNSに投稿したりする“ぬい活”の流行をきっかけに、小さく持ち運びやすいぬいぐるみを開発することになりました。
「ちびぐるみ」の特徴は3つ。1つ目は、全長約11cmというサイズ。2つ目は、びびっとまっすぐな瞳やほんのりチークによる“バブみ”のある顔立ち。3つ目は、ほぼ2頭身で短い手足で両手を上げたバンザイポーズです。
「小さいサイズのぬいぐるみブランドをつくろう」とアイデアを出し合った中で、キャラクターの特徴を生かしたデフォルメデザイン案が生まれ、それが「ちびぐるみ」につながりました。

人気の鍵は“スピード感”
現在、第20弾を超える人気シリーズとなった『ブルーロック』の「ちびぐるみ」は、アニメ放映中にどんどんと商品を投入し、徐々に盛り上がり、最終的にはクレーンゲームの筐体に行列ができるほど大きな反響をいただきました。人気を集められたのは、『ブルーロック』のぬいぐるみをいち早く商品化できたこと、アニメの進行に合わせてタイムリーに商品化したことも要因だと考えています。
これにより『ブルーロック』ファンの間で口コミが広がり、SNSなどでも「ちびぐるみ」についての投稿が増えていきました。加えて、イベントに「ちびぐるみ」を連れてきてくれる方も増え、人気に拍車がかかることとなりました。現在も、新しい作品の「ちびぐるみ」を展開する際は、このスピード感を大切にしています。

個性を生かすデフォルメの難しさ
「ちびぐるみ」の最も難しいポイントは、デフォルメです。特徴や複雑な衣装を、たった11cmの中に詰め込まねばならないため「そのキャラクターのアイデンティティはどこにあるか」を的確に掴み、残すべき部分と削ぎ落とすべき部分の絶妙なラインを探っていきます。たとえば揃いの衣装で、ディティールの違いがそのキャラクターの特徴である場合などは、小さな洋服に落とし込むのが大変です。
また、難しいのが、実在する人物の「ちびぐるみ」です。ご本人の特徴をしっかりとらえた上で、ちびぐるみの3つの特徴に当てはめデフォルメするようにしています。K-POPの4人組ガールズグループ『aespa』では、眉毛や目尻の角度やその楽曲当時の髪型、瞳の色など細かい部分までご本人を研究して、ご本人“らしさ”を表現するように調整を重ねました。
加えて、“かわいいパーツバランスの追求”も非常に重要です。小さいからこそ、少しのズレが大きな違和感につながってしまいます。「刺繍が1mmズレているのでは?」といった、微細な点にも神経を尖らせて調整しています。

男性ファンも増加中。「ちびぐるみ」の新しい取り組み
ありがたいことに「ちびぐるみ」は、アミューズメント景品のぬいぐるみシリーズの中でも高い知名度を誇ります。リリースから5年で、100作品以上商品化し、幅広いユーザーにお届けできたことが大きな理由です。また、「ちびぐるみ」のメインターゲットは女性ですが、『学園アイドルマスター』のちびぐるみでは男性からも大きな反響がありました。今後もさまざまな可能性を見据えながら、皆さまに喜んでいただける「ちびぐるみ」を展開していけたらと考えています。
2025年からは、新しい施策も実施しています。4月には、Web上でオリジナルの「ちびぐるみ」イラストを作成できる「ちびぐるみメーカー」をリリースしました。髪型や顔のパーツ、洋服などを自由に組み合わせられるため、推しや自分自身を“ちびぐるみ化”できるんです。
10月には、池袋で「ちびぐるみフェス」を開催。ブランド誕生から5周年を迎えた記念のイベントで、これまで登場した1,000体以上の「ちびぐるみ」がお出迎えします。このフェスでは「ちびぐるみメーカー」で配信している洋服と同じデザインの「ちびぐるみ」の洋服も販売します。“ちびぐるみ化”した推しや自分自身のイラストと、お持ちの「ちびぐるみ」とのペアルックを楽しんでいただけます。

ゲームの景品だからこそ求められる、見た人を惹きつけるクオリティ
「ちびぐるみ」は物販のぬいぐるみとは異なり、クレーンゲームで獲得しなければ手に入りません。だからこそ「何としても獲得して持ち帰りたい!」と思っていただけるようなクオリティに仕上げることをとても大切にしています。
今展開している「ちびぐるみ」はどれもかわいく、愛くるしい仕上がりになっているという声をいただいています。現状の「ちびぐるみ」ユーザーは、作品やアーティストのファンの方々が中心ですが、ゆくゆくはキャラクターを知らない方にも、「ちびぐるみ自体がかわいいから」という理由で手に取っていただけるようなシリーズへと成長させられたら嬉しいです。

国境を越えて親しまれるぬいぐるみを目指して
「ちびぐるみ」をさらに盛り上げていくために、今後さらなる展望を考えています。その一つが、実店舗のオフィシャルショップ開設です。店内にはクレーンゲームの筐体を設置するほか、「ちびぐるみフェス」でも販売するオフィシャルの「ちびぐるみ」スタンド、専用おくるみショルダー、着せ替え用の洋服なども販売予定です。最終的にはゲームセンター店舗以外にも展開を行い、よりお客様に近い生活導線の中での展開も構想中です。
さらに、海外展開も拡大しています。中国ではポップアップショップを、今年度だけで約30店舗、展開する予定です。中国でも、好きなキャラクターのグッズをバッグいっぱいに飾りつけたり、食事の場にグッズを持参したりするぬい活が浸透しつつあります。そのため「ちびぐるみ」も好意的に受け入れられているようです。
いつか「ちびぐるみ」を世界中で愛されるシリーズへ発展させたい。壮大ですが、そんなビジョンを描いています。

WHAT'S YOUR “SPIRITS” 仕事における「魂」

クレーンゲームという一瞬の出会いで「欲しい!」と思ってもらえるプロダクトを作ることです。「かわいいと感じるポイント」は人それぞれ異なります。だからこそ、その多様な感覚と深く向き合い、人の心を鷲掴みにする「ちびぐるみ」を生み出したいです。
プライズ事業部 藤本 香織

企画にユーモアを込めることです。商品を企画するときも、版権元様と話し合いを進める際も、実際に製作する「ちびぐるみ」自体にも、手に取った方が思わず笑顔になるような遊び心を忍ばせることを意識しています。
プライズ事業部 岡田 百花
所属部署・内容は取材当時(2025年7月)のものです。
©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会
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