
BANDAI SPIRITS
STORY
見えない構造に、熱を込める。 「ガンプラ」45周年を飾る最高傑作
2025年5月14日
ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」誕生から45周年。BANDAI SPIRITSはこれまでの知見や技術、ファンの方々からの声を結集させた「PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 RX-93 νGUNDAM(通称:PGU νガンダム)」を発売します。
「特に内部構造を徹底解剖した」と語るのは、企画・設計のメンバー。外から見える部分だけでなく内側にこだわった背景には、“本物のガンダムを組み上げる感覚が味わえる最高傑作をつくりたい”という想いがありました。「PGU νガンダム」はどのような試行錯誤を経て商品化に至ったのか、その開発秘話に迫りました。
ホビーディビジョン ホビークリエイション部 設計担当 曽根 大地 (左)/ 企画担当 稲吉 太郎 (右)
45周年の節目に届けたい、集大成の「ガンプラ」
1980年のガンプラ誕生からこれまで、多色成型やインサート成形、スナップフィットなど、さまざまな新しい技術にチャレンジしてきました。1998年にそれらの技術を盛り込んだ最高峰ブランド「PG(パーフェクトグレード)」を展開しました。そして、ガンプラ40周年の2020年、さらなる高みを目指して、あらゆる定義や制約を取り払った革新的ブランド「PG UNLEASHED」を展開しました。このときに商品化されたのが「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム(以下、PGU RX-78-2 ガンダム)」です。最新技術を凝縮した仕上がりは、「今後これ以上のガンプラは生まれないのでは」と大反響を呼びました。
45周年となる2025年、目指したのは「史上最高のガンプラ」をお届けすること。「PGU RX-78-2 ガンダム」に続く機体として選んだのは、アムロ・レイが最後に乗った愛機「νガンダム」。多くのファンにとって思い入れのある機体を「PG UNLEASHED」で商品化したいと考えたのです。

“設定再現”と“ガンダムが実在したら?”の両立を目指し、内部構造を追求
「PGU νガンダム」のコンセプトは“ガンダム本物体験”。「“設定再現”と“ガンダムが実在したら?”の両立を目指す」という前提のもと、デザインや造形を決めていきました。特に今回は、内部構造の作り込みに力を入れています。
劇中でも印象的な内部構造描写とガンダムが実在したらという想定から、本体内部には機体を駆動させる数々の動力機構に関わる部品が備わっているはず。本物のガンダムを組み立てるような楽しさやワクワク感が味わえる商品を作りたいと考えたことが、内部構造にこだわった大きな理由です。「この設定ならこんな機構になるのでは?」と、SF的なアプローチで詳細を詰めていきました。

複雑でおもしろい。高密度な多重構造フレーム
「PGU νガンダム」の醍醐味のひとつは、やはり組み立て。骨格と言えるメインフレームや、強度の高い構造部材フレーム、外装……と、幾重にもなる密度の高い構造を楽しめるようにしました。パーツ数が多く組み立てに時間がかかるかもしれませんが、それだけ組み応えのある内容になっています。
今回は1/60という本体だけでも全高370mmを超える大ボリュームのサイズだからこそ、ディティールもこだわり抜きました。単なる「ガンプラのパーツ」ではなく「実在するガンダムの部品」だと思って、外観では見えない部分に緻密なデザインや加工を施している箇所もあります。
また、駆動機構の追究により、強度上で設計難易度が高い膝立ちをスムーズにしたり、リアリティを重視して内部フレームを多色にしたり……と、随所にこれまでの知見と技術の細かなアップデートが散りばめられています。

組み立てた後も、楽しさが続く
これまで積み重ねてきた知見や技術に加え、お客さまからいただいた声も商品に反映しています。たとえば「PGU RX-78-2 ガンダム」で好評だったエッチングシールは、より細かく選定・採用しています。
さらに、今までは固定されて動かなかった指や手のひらを分離させて、よりポージングなどに広がりがでるよう試行錯誤しました。
また「PG UNLEASHED νガンダム」は、ハッチオープンギミックを施したり、さまざまなポージングができるよう体駆に柔軟性をもたせたりオプションで発光ギミックが搭載されたりと、組み立てる楽しさだけでなく、遊ぶ楽しさも感じられるプラモデルになっています。

「作品上のリアリティ」と「物理的重量」の最適なバランス
“本物のガンダム”を追い求めて商品開発を進めていくと、思わぬ壁にぶつかることもあります。立体物は「身長が2倍になったら、重量は2の3乗で8倍になる」と言われており、サイズによって生じる負荷は異なります。つまり実際のガンダムに近づけたいと思っても、物理的に難しいこともあります。
特に今回苦労したのが、ファンネル。ファンネルは、6つに分かれてそれぞれが変形するだけでなく、連結して1枚の羽のような形状にもなります。一番のネックとなっていたファンネル同士の連結に至っては、1年以上かけて、最適な固定方法を編み出し、調整とテストを重ねました。
試行錯誤の結果、胸を張れる納得のいく出来栄えとなりました!「ガンプラ」を愛するみなさんの感想を、今から楽しみにしています。

ライト層からコアファンまで、あらゆるお客さまのために
ガンダムはアニメの公開当初から応援してくださっているファンの方から、最近好きになってくださった方まで、幅広い層に支持されている作品です。その楽しみ方の1つである「ガンプラ」も、幅広い層のお客さまに満足いただける商品を展開していきたいと考えています。
たとえば、初めてプラモデルに触れるお子さま向けのキットを販売したり、海外のファンに向けた商品を展開したりすることもあります。さらには、今回の「PGU νガンダム」のように、ずっと作品やガンプラを楽しんでくださっているコアなファンへ向けて、ハイクオリティな商品を作るなど、さまざまなニーズに対応していくのが今後の目標です。そのためにも広い視野を持っておきたいですね。

WHAT'S YOUR “SPIRITS” 仕事における「魂」

「お客さまの想像を超えること」です。私は、人を驚かせることが好きな子どもでした。今でも誰かを驚かせることが好きな性格は変わっていません。どうすればお客さまの想像を超え、楽しませられるか、驚かせられるかを考えながら仕事に取り組んでいます。
ホビーディビジョン ホビークリエイション部 企画担当 稲吉 太郎

幼い頃に体験した「ガンプラを組み立てるワクワク感」を多くの人に感じてもらえる商品を目指して設計をしています。私が設計した商品で「ガンプラを仕事にしたい!」と思ってくれる子どもが増えたら、こんなに嬉しいことはありません。
ホビーディビジョン ホビークリエイション部 設計担当 曽根 大地
所属部署・内容は取材当時(2025年2月)のものです。
©創通・サンライズ
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